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社会・政策2026.09.29

AIからSIへ?―トランプ大統領が「人工知能」の名称変更を指示

2026年9月、トランプ米大統領は、中国の習近平国家主席との首脳会談に関連して、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を「Super Intelligence(SI)」と呼ぶ考えを示しました。

 トランプ大統領は、従来の「Artificial(人工的な)」という言葉が、現在の高度な技術の能力を十分に表していないとの考えを示し、「AIではなくSI」という新しい呼称を提案しました。

9月26日には、米中両国がAI技術のリスクや利点について協議する「米中スーパーインテリジェンス対話」を設ける方針が報じられました。

さらに9月29日、トランプ大統領は「スーパーインテリジェンス時代の幕開け」と題する大統領令に署名しました。この大統領令では、米連邦政府の行政機関に対し、公式文書やウェブサイトなどで、従来の「Artificial Intelligence(AI)」に代えて「Super Intelligence(SI)」という名称を使用するよう指示しています。ただし、今回の大統領令におけるSIは、従来のAIと同じ技術やシステムを指す行政上の用語として定義されています。


【GAME-Fからのコメント】

人工知能の研究の歴史は古く、その理論的な基盤は1930年代のアラン・チューリングによる計算理論や、1943年の人工ニューロンの数理モデルなどにさかのぼります。1956年には米国のダートマス会議を通じて「Artificial Intelligence(AI)」という名称が広まり、AIは独立した研究分野として発展しました。

 その後、深層学習の進歩を経て、2022年以降はChatGPTなどの生成AIが一般社会に急速に普及しました。文章や画像、音声を生成するAIは、教育、医療、仕事、日常生活など、さまざまな分野で利用されています。しかし、AIが生成AIとなり、さらにSIへ進化したわけではありません。 AIは人工知能技術の総称であり、生成AIはその一分野です。一方、学術的な意味でのSI(超知能)は、人間の知的能力を幅広い領域で大きく上回る知能を指す概念です。

 今回のトランプ大統領による名称変更は、AIが超知能の段階に到達したことを意味するものではありません。技術の進歩によって新しい能力が生まれることと、その技術をどのような名称で呼ぶかは、分けて考える必要があります。

 子どもたちは今後、AIが身近に存在する社会で成長していきます。AIは学習や創作を支援する一方で、誤った情報を生成することもあり、人間の判断をすべて代わりに担えるわけではありません。技術が高度になるほど、AIの回答をそのまま受け入れるのではなく、自分で考え、確かめ、判断する力が求められるでしょう。


【参考】

The White House. Inaugurating the Era of Super Intelligence. September 29, 2026.

The White House. Fact Sheet: President Donald J. Trump Inaugurates the Era of Super Intelligence. September 29, 2026.

Axios. U.S. and China Agree to "Super Intelligence" Dialogue Amid AI Tensions. September 26, 2026.

Dartmouth College. The Founding and Future of AI.

IBM. The History of Artificial Intelligence.

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